アート

【Takのアート入門講座】お気に入りの美術館をみつけよう

カフェやレストランから居酒屋まで自分のお気に入りのお店ってありますよね。一度友人に連れて行ってもらい居心地の良さに惹かれたり、絶品メニューがあったりと、その理由はさまざまだと思います。同じようにお気に入りの美術館がひとつでも出来たらもう初心者は卒業です。

よく「美術館は敷居が高く感じて足が向きにくい」と耳にします。確かに行き慣れていないとそう感じるのはもっともなことです。でも、思い出してみてください、初めてスタバに入った時のことを。注文の仕方もよく分からずドギマギしながら、敷居の高さを感じたはずです。それが何度か通ううちに、まるで呪文のようなオーダーをするようになり、店内で我が家のようにリラックスしているはずです。

美術館も幾度か通っているうちに敷居の高さはまったく感じなくなるばかりか、気軽に行ける心が休まる場所となってきます。はじめはそう思わなくても、騙されたつもりで行ってみて下さい。半年、一年経つとその中でもここは自分と肌が合うなと思う館が見つかります。素敵なカフェがあるから、好きな作品があるから、職場や学校から近いから等々、その理由は何でも構いません。そしてその美術館に年間パスポートがあったら迷わず購入しましょう。

美術館のカフェも居心地のいい場所のひとつです。写真は慶応元年創業の金沢の老舗「加賀麩 不室屋」がプロデュースするサントリー美術館のカフェ

一年間、美術館に何度でも入れる年パス、「でもお高いんでしょう~」と思われるかもしれませんが、他のエンタメに比べると格段に安くだいたい5000円程度です。一回分の飲み代で一年好きなだけ好きな美術館にいつでも入れる会員証がゲットできる、素晴らしいではありませんか!これを利用しない手はありません。

美術館は計画を立て、万全の準備をして出かける場所である一方で、気軽に時間がちょっとだけできた時にふらりと訪れる空間でもあるのです。学生時代、大学の近くにある美術館の年パスを購入し、とにかく時間があれば通いつめました。時には絵を観る目的よりも展示室のソファで読書をするために行ったりもしました。あんなに静かで冷暖房のみならず湿度まで一定に管理されている場所は他にはありませんからね。

会員費の元を取ろうなんて野暮なことを考えて無理やり通うのではなく、気軽にいつでもふらりと訪ねるようにしましょう。そしてそうしているうちに知らず知らずに絵画との距離感も近くなってきます。突然、モテキがやってくるように絵が向こうから自分に語りかけてきます。

この春、お気に入りの美術館を探してみましょう。写真はサントリー美術館

さぁ、春はそこまで来ています。新しいことを始めるにはこれほど適した季節もありません。お気に入りの美術館を見つけ、通いつめましょう。来年の今頃は立派な展覧会マニアになっているはずです。

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美術blog「青い日記帳」主宰。『カフェのある美術館』(世界文化社)『美術展の手帖』(小学館)編集。『フェルメールへの招待』編集・執筆。ぴあ、goo連載。『文藝春秋』書評寄稿など、各種講演・執筆活動など、幅広く活躍中。

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