このコラムでは、「どうせ私なんか…」というセリフが頭に浮かんでいた日本での私が、多様性の都といわれているアメリカのニューヨークに47日間滞在し、半歩ずつそのマインドを変えていき、『“インドミタブル(不屈の精神)”MAYUMI』になるまでの軌跡を辿っています。
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#24 もっと外に出かけようと心に決める
Google マップは使いこなせないどころか、今回娘から「自分で調べて」と言われて初めての挑戦中。道の角に来ると、念のためグルグル回って方向確認している。どんな観光ガイドブックにも「観光客に見られないように」と書いてあるけど、グーグルでナビを開始して道端でグルグルしている。
地下鉄は平日と休日で停車駅が違う。平日の運行でさえ変更があり一般原則がわからない。ピーとプーの匂いもこもっている。それに夜遅くは危ないと言われているけど、夜遅くが一体何時なのかわからない。
それでもどこか外に行くしかない。
ニューヨークに来る目的が娘の出産の手伝いだったため それ以外のことは考えてこなかった。今日まででわかったことは 毎日 狭い場所で顔を突き合わせているとストレスがたまって、却って事態が悪化するということだった。ある日、娘に「今日は来ないかと思ってたのに(つまり、今日は来ないでほしかった)」と言われ、腹を決めた。
娘は、出産直後は動かない方が良いという出産ガイドラインに従って座って私の家事を眺めている。「それはレシピ通り計ったの?!」「肉を切った包丁で野菜も切ろうとしていない?!」
細かなダメ出しがー。 こちらもいい加減にしろと言いたいところだが、今回は口答えしないと決めて来ていた。
その訳は、結婚して住んで働くだけでも大変な ニューヨークで 出産という大事業を成し遂げイライラするのも仕方ないと娘の立場を推察したからだ。とりあえず 言われ放題になっていた。決意は立派でも、心へのボディーブローが効いてきて、日に日に私もしょげてきた。 そこで、このへんで私自身の生活を変える必要があると気がついた。
#25 心が癒される場所へ
セントパトリック大聖堂
このニューヨークで私の心を上向きにする面白いものを見つけなければならない。 と言っても日本で何も調べてこなかったため 当てがない。 家の近所のブルックリン 図書館は行ったし、 マンハッタンで安心して行ける所ってどこかしらと思った瞬間に浮かんできたのが セントパトリック大聖堂である。図書館の次は大聖堂とは、自分ながら安全思考に苦笑する。
5番街、ロックフェラーセンターのすぐ隣にあるセントパトリック大聖堂。一番奥にある祈りの部屋にはマリア像だと思われる、うつむき加減の優しい眼差しで両手を差し伸べている像があった。何と言うタイミング!私もいつも娘に優しい気持ちが持てますように!と思うものの目の前にあるものにすぐ反応してしまう私なので、目の前にマリア像ではなく、毒を吐き散らす人が来たら、絶対にそう思えないこともすでに知っている。
ブルックリン・タバナクル教会
日曜の昼、フラっとゴスペル教会に行ってみた。行く前は知らなかったが、とても壮大なオペラハウスのようなブルックリン・タバナクル教会。讃美歌が3曲、コンサートのように歌われた。たくさんのアルバムがあってiTunesで聞ける。黒人ゴスペル教会という説明があったが、舞台の上には黒人だけではなく、白人やアジア人もいた。でもお説教は全くわからなかった。そして、帰り、フラっとまた消防署の前を通ったら、出動から帰ってきた消防車に出くわし、サングラスの消防士さんが「Hi!」と声をかけてくれた。私たちはお友達になったのかな⁈
#26 知識欲が満たされる場所へ
アメリカ自然史博物館
ナイトミュージアムの映画の舞台としても有名になったアメリカ自然史博物館。セントラルパークの西側にあり、行ったら、なんだかおもしろいものがいっぱい。こういうのが好きな人は何日居ても飽きないんでしょうねぇ。夕ご飯の買い物に行く時間になってしまい、私もちょっと時間が足りなかった。
ところで、私はGoogleのカメラの翻訳機能を使って読んでいる。それでわかったんですけど、なんと、かのルーズベルト大統領(もう一つ初めて知ったのは、 ルーズベルト大統領は2人いて 初代の方)は、大統領をやめた後10年間、アフリカや南米を探検しており、「生涯探検家」と言うタイトルで大きく紹介されている部屋があった。大統領だったと言うだけでも凄いのにねー。
ブロンクス動物園
コロナの影響で動物園は入場制限があり、オンラインで予約購入をして朝10時から11時に入場することになった。朝なので時間に間に合うかと緊張していたが、ブルックリンからブロンクス動物園までの旅は順調だった。が、入ってすぐのところにあるオプションのモノレールは故障して乗れず、払い込んだオプション料金は返金なし。たぶん、私がどこかで、返金を頼まないといけなかったのでしょう。でも、英語を聞くのが苦手である。ブツブツ。見ることは得意なので、広大な動物のエリアを歩き回った。人の行動や風景も印象深く、珍しいシーンとして、ユダヤ帽をかぶった人たちのお見合いのような光景を二つも目撃。動物は閉園時間前にすべてバックヤードに移動。日本では考えられないことだと思った。
ニューヨーク水族館
動物園と同じくニューヨーク水族館には無料時間帯があると聞きながらも、オプションのアトラクションを楽しむために有料時間帯に行った。
コニーアイランドを歩きながらオーシャンパークへ向かい、水族館に入場してイルカのショーを観るときも観覧席が空いていた。360度水中を見渡せる小さなチューブに入ってみた。今まで子供しか入っていなかったのが、私が入って魚を眺めているので、大人たちも私に続いてチューブに入り始めた。狭いチューブの中に、大人達が入ってくる。面白い遊びを見つけたら、その後から続いてくる人たちがいて、先陣を切ったようで嬉しくなった。「お一人様の」大人も子供も楽しめる場所だった。
午後4時ごろから無料の入場者が列を作り、オプション料金のアトラクションが閉鎖され、写真をお願いしても無視される出来事が続々。ここでもオプション料金の返金を思いつかないのだった。それをムコ殿に教えてもらい「あらまぁ、言えば返金してくれたのね!」と帰宅後の反省。
今回は、ニューヨークでの母娘関係のストレス解消のために訪れた場所の前半をご紹介しました。一歩外に出れば、うじうじしていた気持ちを消し去ってくれる街だったとやっと気がつきました。動物園や水族館には限られた時間ではあるものの入場無料の枠があったりして財政的に厳しい人でもこうした場所を訪れることができます。人の意識も高く入場料のほかに必ず寄付(Donate)の項目があります。日本とは違う形の相互扶助スピリットですね。
次回は、訪れた場所の後半です。まばゆい世界に入っていきますので、応援していただけると嬉しいです。