みなさんは「宝塚歌劇」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
一度も宝塚の舞台を観たことがなくても、華やかな演出やきらびやかな衣装などを想像する方も多いのではないでしょうか。
宝塚歌劇はお芝居だけでなく、歌やダンスが中心の「ショー」でも知られています。もし宝塚らしい華やかさを満喫したいなら、ショーがおすすめ。
ショーでは有名なラインダンスや大階段を使ったダンスなどを見ることもできるため、「これから宝塚歌劇の作品を楽しみたい」と考えている方にもぴったりです。
この記事では、宝塚初心者の方に特におすすめのショーについて解説。ショーの魅力や、ぜひ観て欲しい作品まで詳しく紹介します。
宝塚歌劇のショーとは?
宝塚歌劇で上演される「ショー」とは、歌やダンスを中心に展開される舞台のことです。
お芝居はセリフがありストーリーに沿って進んでいくのに対し、ショーではセリフはほとんどありません。ストーリーを追って話が進むのではなく、1つの大きなテーマに沿って、様々な場面が切り替わっていくことが特徴です。
テーマは様々で、愛や夢などのテーマのほかにも、そのショーを上演する組のトップコンビから受ける印象を主題とすることもあります。
またお芝居では見られないようなきらびやかな衣装や、大掛かりな舞台装置が使用されることも特徴の1つ。お芝居とはまったく異なった世界が広がるため、ショーを観ていると、まるで違う世界へ連れて行かれたかのように感じることもあります。
ダンスに歌・またダンスと、次から次へと場面が変わっていくので、観ていて飽きません。お芝居とは異なった、様々な魅力を堪能できることがショーの醍醐味です。
ショー作品を鑑賞する際の、3つのおすすめポイント
ただ「ショーがおすすめ」とは言っても、一度も観たことがない場合は、どんなところが良いのか少し分かりにくいかと思います。筆者もはじめてショーを観るまでは、「どんな内容なのかな?」とまったく想像ができずにいました。
そこで、ここでは、宝塚ファンの筆者が感じる3つのおすすめポイントを紹介します。
①:年代を問わず楽しめる
ショーの大きなポイントは、年代を問わず楽しめることです。
宝塚歌劇で上演されている作品の中には、フランス革命などの歴史をテーマとした作品も多いです。そのため、小さなお子さんや歴史が苦手な方は、少し難しいと感じることもあるかもしれません。
一方ショーは明確なストーリーがないものがほとんどで、舞台はほぼ歌とダンスで構成されています。主役に注目し続けて話を理解しようとする必要もないため、ステージ上のどこを観ていてもOK。
よって舞台をはじめて観る方や、ストーリーを追い続けるのが苦手と感じている方も、気軽にリラックスして楽しめます。
②:様々な劇団員が活躍している様子を観られる
様々な劇団員が活躍している様子を観られることも、ショーの魅力の1つです。
宝塚歌劇には「花・星・月・雪・宙」の計5組があり、1つの組にはなんと70名近くの劇団員が在籍しています。そのためお芝居で活躍できる団員は限られてしまい、お芝居では主役を務めるトップスターを中心とした団員のみが注目を集めることになります。
しかしショーは場面の入れ替わりが激しく、大人数で踊るダンスなども多いため、より多くの団員が舞台の中央付近で踊ることができるのです。
「右から3番目の方、とってもダンスがお上手だな」と思い後で調べたら、入団したての下級生だった!なんてことも少なくありません。
またショーはとにかくダンスが多いため、「〇〇さんってダンスも素敵なんだな!」など、自分がファンになった劇団員の新たな魅力を発見できる機会にもなりますよ。
③:"宝塚らしさ"を堪能できる
そして最大のポイントは、何と言っても"宝塚らしさ"をたっぷりと堪能できることです。
ショー作品では、
・トップスターとトップ娘役によるデュエットダンス
・大階段を使用した男役の群舞
・数十人が一列になって足を上げるラインダンス
などなど、多くの人がイメージしている「宝塚歌劇」を1つのショーだけで存分に味わえます。
宝塚歌劇で上演されている作品には、お芝居だけの作品と、お芝居とショーの両方が楽しめる作品の2種類が存在します。「宝塚らしい作品」を楽しみたい場合は、ぜひお芝居とショーの二本立ての作品を選んでみてください。
おすすめのショー作品3選
最後に、筆者おすすめのショー作品を3つ紹介します。はじめてショーを観る方でも楽しめるような、テーマの大きく異なる作品を選んでみました。Amazonプライムビデオや楽天TVでも観ることができるので、興味のある作品をぜひ一度鑑賞してみてください。
①雪華抄(花組、2016年)
「雪華抄(せっかしょう)」は宝塚歌劇で「和物」と呼ばれる和風のショーです。
「日本ならではの風雅な趣」をテーマとして、梅が咲く初春から夏、秋、雪の降る冬へと、次々に華やかな場面が展開されます。舞台上にはまるで絵巻物のような世界が広がり、日本舞踊や美しい演出に目が釘付けに!
また国際的に活躍するファッションデザイナーである、丸山敬太氏が衣装デザインや監修を手がけていることも見どころの1つ。演出・衣装・舞台装置にいたるまで、すべてが美しく、日本の伝統や文化の良さを改めて感じられる作品でもあります。
②シトラスの風(宙組、1998年〜)
シトラスの風は、1998年の初演から再演が繰り返されている作品です。
柑橘類のシトラスからイメージされる、若さや清々しさ、そして誕生などの新しい時代への飛躍がテーマ。宙組を代表するショーとして、多くの人に愛されている作品です。
少しクラシカルな雰囲気が感じられながらも、爽やかさやエネルギッシュなダンスが印象的なショーです。
再演の際は各トップスターにあった新場面が加えられたり、演出が変更されたりしているため、年度ごとの違いを見比べるのも面白いですよ。
③BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-(月組、2018年)
BADDYは他のショーとは少し異なる、ストーリー性の強いショーです。
分かりやすいストーリーに沿って話が進むので、「お芝居のようにストーリーのあるショーが観たい」と感じている方におすすめの作品です。
この作品の最大のポイントは、コミカルな演出ながら、壮大なテーマを描いていること。
悪とは何か、善とは何か。人としてどう生きるのか正しいのか。そのような大きな問いがテーマとなっており、作品を楽しみながらもどこか考えさせられるショーでもあります。また一度聴いたら耳から離れなくなるような、テンポが良いメロディと歌詞も魅力の1つです。
宝塚歌劇が気になったら、ショーを観てみるのがおすすめ
この記事では、宝塚歌劇のショーの魅力やおすすめの作品について紹介しました。
宝塚歌劇のショーはダンスや歌を中心に構成されており、お芝居のようにストーリーに集中する必要もないため、年代を問わず気軽に楽しめることが特徴です。
近年は劇場だけでなく、ライブ配信や動画配信でも作品を楽しめます。宝塚歌劇についてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。