シネマ・演劇

【珠玉の5選】映画で読み解く、文豪や編集者たちの波乱に満ちたドラマチックな人生!

食欲の秋、芸術の秋、読書の秋…読者の皆様、いろんな秋を楽しんでいますか? 秋の夜長に気になっていた本を読みたい…とむくむくと読書欲がわいてきますが、心を震わせた物語を生み出した著者にも興味がわきませんか?

どんな人物だったのか、どんな人柄だったのか、著者の名前は知っているけれど、物語の作成秘話や知られざるエピソードなど、ページの向こう側のドラマにも注目することで、もっと物語を楽しむことができるでしょう!

今回の記事では日本人作家、外国人作家、編集者の人生を描いた5つの映画作品をご紹介します。

日本人作家

『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』(2020年)

本作品は、数々の名作を遺してた天才作家・三島由紀夫と血気盛んな東大全共闘との討論会での全貌を描き、当時の関係者や現代の文学者・ジャーナリストなどの識者他、三島由紀夫についての「生きた」証言を集めたドキュメンタリーです。

1968年、大学の不正運営などに反対した学生が団結して始まった全国的な学生運動。特に最も武闘派と言われていた東大全共闘に、言葉とペンを武器にする天才作家・三島由紀夫が単身で乗り込み、2時間半にわたる「言葉」の殴り合いを繰り広げた両者の熱量を体感できます。

あわせて、謎に満ちた三島由紀夫の最期の日々を映像化した『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(2012年)などもご覧になってみてください。

『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019年)

本作品は、天才作家・太宰治とその妻、そして二人の愛人との関係を描きながら、歴代のベストセラーとなった『人間失格』の誕生秘話をドラマチックに描いています。

重身の妻・美和子と二人の子供がいながら恋の噂が絶えず、作家志望の静子や未亡人の富栄などと恋に落ち、その破天荒な生き方で他文豪から疎まれながらも、自身の作品へと昇華させてベストセラーを連発する太宰治。

その彼の晩年期を『さくらん』『ヘルタースケルター』の蜷川実花監督が、太宰と彼を愛する三人の女性との関係を軸に極彩色の映像美で映画化しました。

外国人作家

『ライ麦畑の反逆者 ひとりぼっちのサリンジャー』(2019年)

本作品は、20世紀最大の名作『ライ麦畑でつかまえて』を世に送り出した天才作家J・D・サリンジャーの彼の知られざる生涯と名作誕生の舞台裏に迫った伝記ドラマです。

親との確執、恋人の結婚、戦争の傷跡…それらを経験して生み出された『ライ麦畑でつかまえて』。本書の過激な内容からバッシングを受ける一方で、ベストセラー作家として人気者になるサリンジャーですが、その後次第に表舞台からは身を退き、後半生は謎に包まれた隠遁生活を送ります。

本作では、彼の才能を開花させた人物との出会いをはじめ、名声を得た後に表舞台から姿を消した謎に迫りながら、心に孤独を抱えたサリンジャーの経緯や葛藤が描かれます。

『メアリーの総て』(2018年)

本作品は、200年語り継がれるゴシック小説『フランケンシュタイン』を、弱冠18歳で生み出したメアリー・シェリーの波瀾の人生を描いています。

継母との確執、恋人との駆け落ち、愛する娘の死、破産…数々の悲劇に打ちひしがれる彼女の中で生み出された物語。天才科学者フランケンシュタインが生み出した悲しき怪物に、彼女は何を重ねていたのでしょうか?

また、メアリー・シェリーが生きた時代は、女性が本を出版するには匿名にしなければならないほど女性差別が酷い時代でした。英文学史に名を残すほどの作家でありながら、これまでヴェールに包まれてきた女流作家の人生にぜひ注目してみてください。

編集者

『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』(2016年)

本作品は、37歳でこの世を去った天才作家のトマス・ウルフと、彼を世に送り出したカリスマ編集者マックス・パーキンズによる、名作の舞台裏でひしめく友情、そして闘いを描いた感動の実話です。

『老人と海』のアーネスト・ヘミングウェイや『グレート・ギャツビー』のスコット・F・フィッツジェラルドを全く無名だった時代に発掘し、会社の上層部の反対を押し切って出版したカリスマ編集者のマックス・パーキンズ。

そんな彼が、最もその作品に感銘を受け、才能を信じた作家がトマス・ウルフです。ウルフは、1938年に37歳で亡くなるまで、アメリカでは大変な人気を博しました。現在でも、20世紀前半を代表する作家として愛され続けています。

本作で描かれる、ベストセラー小説の編集をめぐり、まるで実の父と息子のように惹かれ合う2人の運命の絆は、現在もアメリカ文学史上類まれなエピソードとして語り継がれています。

最後に…

ページを捲るたびに異世界へと誘ってくれる文学の裏側には、作家や編集者が懸命に生きたドラマが隠されています。ぜひ、映画から“読書の秋”を深めてみてください。

新 麻記子

新 麻記子

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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。

日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に…#日本酒がある暮らしをコンセプトにしたメディア&コミュニティ『酒小町』の編集長をつとめるほか、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

Instagram:@shin_makiko

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