2023年、再び訪れたニューヨークではさらに多くのチャレンジが待ち受けていました。このコラムは、そんな中でヘンテコな私が、半歩ずつ自己実現をめざし孤軍奮闘してきた経験を綴ったものです。観光旅行では味わえないニューヨークの一面を知ることが出来ました。それをご紹介していきます。
★過去のエピソードはそれぞれ下記URLからどうぞ!
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★ニューヨーク・ステイト・オブ・マインド
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アップステート・ニューヨーク(Upstate New York)
山、森林、湖、滝など美しい自然が広大なエリアに広がり、小さな町が点在するニューヨーク州のアップステート・ニューヨーク。今回はニューヨークの別の一面を2回にわたってご紹介します。
アップステート・ニューヨークは、一般的にニューヨーク州の北部、中部、西部を指し、極めてゆるやかな定義で、ニューヨーク市からハドソン川に沿って、北の方なら大体どこもアップステートですませている感じです。ハドソン川をさかのぼると1932年と1980年に冬季オリンピックが開かれたレークプラシッドの湖沼地帯が続き、やがてカナダとの国境に至ります。
ニューヨーク州の州都はマンハッタンではなくアップステートのオールバニーという都市になります(ムコ殿の実家はこのオールバニー近郊のデルマーという住宅地にあります)。オールバニーはアメリカの中ではヨーロッパからの移民が初めて定住した地域だそうで原住民であるネイティブアメリカンとの交商や独立戦争の舞台ともなった場所でアメリカ人にとっては古い歴史のある場所という位置づけらしいです。といっても日本なら江戸時代、歴史が若い国なんです。
1969 年に 50 万人の聴衆を集めた「平和と音楽の 3 日間」伝説のウッドストックロックフェスティバルの開催地べセルも、ウッドストックもアップステートです。(ムコ殿のおじさん、トムはその時参加していたらしいのです。伝説の構成員のお一人?すご~い。)
アップステートのさまざまな町へ、一人で自分のペースで訪問できればベストですが、地下鉄がなく車が必須です。
(いつか、アメリカでも一人で車を運転できる勇気を持てればなぁ~)
そこで今回、オールバニーに連れて行ってくれたのはムコ殿。
◆意外なプロポーズの場所
ブルックリンからマンハッタン島を迂回してトライボロ橋でイーストリバーを渡り北に向かいます。北に行く道は何本かありますが、いつも彼らはパークウェイを使います。パークウェイはいわゆるハイウェイの一つですが「公園の道」の名前の通りハドソン川の渓谷美を楽しめるように作られていて大型のトラックの運行は制限されているので運転もしやすいそうです。初めて、この道を通ってムコ殿の両親がアップステートに連れて行ってくれた時、途中の小さなパーキングエリアで車を止められました。何にもない?ずっと向こうに渓谷がちらっと見えるだけの場所です。不思議に思ってお父さんのグレッグの顔を見ると、少し照れながら「ここでお母さんのナンシーにプロポーズしたんだ」と教えてくれました。いったい何年前の話かなというつまらない疑問も浮かびましが、じわじわとすごい話のように思えてきました。このパークウェイを通るたびにグレッグとナンシーはその瞬間を感じることができるし、それを代々伝えられてきた家族も私たちのような親戚もここで、それを思い出します。素晴らしい場所。だから、彼らはこの道を通るのが好きなのかもしれません。
3時間ちょっとの気持ちの良いドライブで実家に到着。大型犬が歓迎のため体をぶつけに玄関から飛び出してきます。その後から、グレッグが迎えに出てきてくれました。「おぉ~、素敵なヘアカラー!」いきなりほめてくれました。「やるな、グレッグ!」日本で男の人にこのヘアカラーを褒められたことは一度もありませんでした。常にテンションの低い私ですが着いた瞬間からウォームアップされました。
ムコ殿の実家を少し紹介します
実家はこんな緑豊かな住宅街の中にあります。当たり前ですが、外観がアメリカっぽいですよね。
家のこの木は、すくすく伸びて今ちょうど、子供たちのブランコが取り付けられる大きさになりました。
暖炉のある実家の応接間です。
ムコ殿のお父さんの仕事はお医者さんです。もう引退したのですがコロナ騒ぎで医療関係がひっ迫した時に臨時で医療活動に復帰しています。お母さんはハドソン川の水質管理のメンバーです。お姉さんファミリーと弟も実家の近くにいるので、なにかにつけ全員集合になります。その数10人、日本にも全員で来てくれました。この凝集力は、少し前の日本のようです。
実家を慕ってすぐに家族が集まってくる羨ましい環境です。家の維持だけではなく、関係性の維持もそれなりに大変でしょうけど、グレッグとナンシーは中心となって悠々とこなしているようです。
そんな中にルーキーとして娘は入り、家族として扱われているように見えました。人一人が自分の意思で頑張っても、安心できる環境はなかなか手に入らないものです。「すごい、これは!」娘の幸運と頑張りに胸が熱くなりました。
一方、そうは言っても、実家での大家族暮らしは私にとってはストレスも。いままでシティで一人暮らしの自由を満喫していました。それが、実家に来ると皆が気にしてくれるので暖かい気分になりますがその分、こちらも気も遣います。全部が全部、自分の思い通りになるわけではなく...、却って、まずい事態を招かないように...気を遣ったり、気を抜いたりをうまく調整しなければならないと、気を引き締めた途端、ワァーとなりそうに!なんじゃ、こりゃ?何やっとんねん、のけ反りそうになりました。
実家の裏庭。バックヤードです。
左の小屋は父親と息子たちの工作室。
設備も整えてあって、基本何でも自分たちで作っていこう、直していこうというDIYの精神にあふれています。
実家の近くにお出かけ
そんなアメリカ邸宅をゆっくり味わう間もなく、近くで農場のお祭りがあるというので何人かで行くことになりました。
毎年行われている農業祭(The Altamort Fair)のようですが、規模の大きさにびっくり!
全体の地図です。真ん中にはHOURSE SHOW RINGという文字が見えます、馬のショー?端っこのほうにはRACING PIGS、豚のレース?右上にはAMUSEMENTとかCARNIVALと書いてあります。徐々にワクワク感が。
入り口近くにはアンティークな本物の農業機械が実際に動かされ、ショーアップ。どこかのアトラクションにあるまがい物ではありません。実際に使われていた物です。
SHEEP AND GOAT BARNは、ただのふれあい広場ではありません。どれが一番かの投票も行われて、厳しい世界です。
子牛の品評会のようなことをしています。が、付き添いの子供たちが扱いになれておらず、気の高ぶった牛を抑えられず場外の観客のところまで押し出される場面も。そんなことが起こっても、だいたいオッケーなんですよ。
そして、なんとこちらは移動遊園地。アメリカ映画で見たことがあるそんな感じの遊園地が出来ていました。
安全性は大丈夫かと疑いたくなるように見えるのに本格的な激しい動きの乗り物があってヒヤヒヤ、ハラハラで楽しそう。乗ってみたいものがたくさん。
こちらは、STUNT JUMPと書いてあります。高いところから2mくらいの厚みのある空気クッションに飛び降りる肝試し系のアトラクション。5分くらいビデオを回していましたが、この子はついに飛び降りることが出来ませんでした。でも、誰も文句も言わずにずっと列を作って待っています。その子の親が周りの人に気を遣って、「迷惑だから、もう止めなさい」とか「早くしなさい」なんて声は出しません。「個人を尊重する」って、こういう事なのか。
大きなトラクターが展示されていたので記念写真。動かすことはできません。
赤いライトのゲージは、少し見えにくいのですが、ひよこの観覧車です。ピヨピヨ、ピヨピヨ、キョトキョトキョトキョト。
こちらは、豚のレース。もっと見たいもの、乗りたいもの、やってみたいアトラクション、、、たくさんあったのですが全てカット!赤ん坊が一緒だったからです。娘に「お母さん、早くついてきて」と急かされ仕方なく後ろ髪をひかれる思いで農業祭を後にしたのでした。こんなチャンスはもう2度とないかもしれないと思うと残念、無念。でも、皆で来られて良かったとも思えてきます。
翌日は娘の提案で、近くのインドスーパーマーケットに行ってみました。シティーでは見たことがないくらい、整然ときれいです。
なぜインド系のスーパーがあるかというと、オールバニーに工科大学がありテクノロジー系の優秀な学生を集めており、その中で1番多いのはインドから来た学生らしいのです。このようにして優秀な大学に来る優秀な留学生向きの優秀なスーパーマーケットのおかげで町全体も変わっていくのだなと思いました。
値段はとてもリーズナブル、新鮮なものがたくさん揃っている感じがしました。
イスラム教徒のためのハラルの肉屋さんです。
帰り道、一緒にネイチャーセンターを訪れました。
お母さんのナンシーが10年前にインストラクターとして働いていた場所だそうです。
ここのネイチャー、一筋縄では行きません。強力な虫たちが、人の体を襲うというので、それを防ぐ服装をしていない人は、常駐のゲートキーパーに入ることを止められました。ここでストップでした。
今回は、ニューヨークシティを出て、アップステートのオールバニー近郊の生活をご紹介しました。
次回は、ナンシーの妹のバーバラの家の紹介から始まります。そこは、ハドソン川に面した自然保護区の真っ只中。なぜか家族も正確な住所を知りませんでした。その広大な保護区の中でバーバラは一人で住んでいます。野趣に富んだ風景なので、日本車のテレビコマーシャルにも出ていましたよ。
では、また、皆さんにこのサイトでお目にかかれますように。